濃いレチノールは妊娠初期に注意?赤ちゃんにどんな影響があるか調べてみた

最近よく目にするレチノール入りの化粧品。

シミやシワ、毛穴用のスキンケアに配合されています。

美容皮膚科でも飲み薬として人気が出てきました。

でもこのレチノール、実は妊婦さんにとって気をつけてほしい身近な栄養素のことなんです。

妊活中の人も知ってほしい情報なのでぜひ読んでください!

レチノールとは

レチノール=レチノイドはビタミンAに分類されます。

美肌に必要なビタミンで、最近は化粧品に多く配合され、シワ・毛穴、ニキビ肌にいい抗酸化ビタミンです。

視覚・聴覚・生殖等の機能維持、成長促進、皮膚や粘膜の保持、タ
ンパク質合成などに欠かせません。

脂溶性のビタミンなので、体に蓄積しやすいです。

また、体内に入ることでトレチノインに変化します。

トレチノインになることで、体へ影響があらわれます。

なぜレチノールが妊娠に影響があるのか

ビタミンAは胎児の成長には欠かせません

摂ってはいけないというわけではなく、ぜひ摂るべきです。

普通の食生活をしていて、ビタミンAが不足することは少ないと言われています。

ではなぜ問題視されるのでしょうか?

ビタミンA過多になると

ビタミンAは、摂取基準量を超えると妊婦ではなくても以下のような症状が現れます。

一方、健康食品やビタミンAの含有量の多い食品を多量に食べることで、腹痛、めまい、嘔吐などの急性症状、関節痛や皮膚乾燥などの慢性症状、その他、催奇形性、骨粗しょう症も知られています。
妊娠 3 ヶ月以内または妊娠を希望する女性は、妊婦の推奨量を超えるような過剰摂取をしないよう注意喚起されています。

食品安全委員会HPより抜粋

妊婦さんは、胎児に器官形成異常がおきる可能性が高くなるので注意してください。

レチノール配合の化粧品は使える?

化粧品は経皮吸収といって、皮膚から体内に吸収されていきますが、化粧品に配合されているレチノールは体に影響がないのでしょうか?

まず、化粧品をつけることで影響があるのはごくごく表面の表皮まで

バリア機能が働くことで成分の侵入を防ぎます。経皮吸収されたとしてもわずかな量です。

また、化粧品に配合されるレチノールは100gあたり0.04%と決められています。毎日使っても体内のビタミンAレベルに変化がないと報告されているそうです。

レチノール自体、生理活性(体の機能や形態を変化させる働き)はトレチノインに変化する必要があります。トレチノインの作用はレチノールの50~100倍あります。(皮膚科では、塗り薬のトレチノインが処方されたりします)

表皮より奥に入らないうえに、レチノールの状態ではそこまで影響がないと言えます。

うえるり
うえるり

え、じゃあレチノール入りの化粧品てそんなに意味ないのかな……笑

妊娠前の場合

化粧品に配合されるレチノールは100gあたり0.04%と決められています。

先ほども書きましたが、生理活性作用がトレチノインよりも低いレチノールではほとんど影響はありません。

決められた濃度も低いのであまり心配する必要はありません

妊娠中の場合

胎盤が作られる4か月ごろまでは、ビタミンAの摂取量を気にするべきです。

妊娠前と同様に化粧品からの影響はほとんどありませんが、妊婦に対して安全性の試験がなされていないことや、化粧品によって成分にバラつきがあるので、妊娠中は避けるように指導する皮膚科医もいます。

しかし、妊娠中にトレチノインの塗り薬を使用したことで胎児の奇形リスクを増加させるという明確なエビデンスもありません。

念には念を、といったところでしょう。

*参照 肌のクリニック院長コラムより

注意すべきは内服レチノール

経皮吸収よりもダイレクトに体内に入れる内服薬。

ニキビ治療やシミ対策に病院で処方される「イソトレチノイン」は、胎児に先天性欠損症を引き起こす作用があるため、妊活中から妊娠中までは必ず中止しなければいけません

妊活をはじめる場合は、かかりつけの皮膚科に必ず伝えましょう。

化粧品よりも食品のビタミンAに気をつける

一番影響があって気を付けなければいけないのが普段の食事です。

焼き鳥レバー1本でアウト

レバー特にビタミンAの含有量が多い食品です。

焼き鳥は1本でおよそ50g。

レバー1本で7000㎍の摂取になります。ビタミンAは加熱してもほぼこわれないので、1本で上限すら一気に超えてしまいます

うな重も1尾で100g以上あるので余裕で推奨量を超えますね。

ビタミンAについてはさらに詳しくこちら⇩の記事で説明しています。

まとめ

化粧品に入っているレチノールに関しては気にしなくて大丈夫ですね。

ただ、妊娠中にシミが濃くなったりしてくるので、産後は使いたくなる人が多いかもしれません。

どちらにしても、直接口から飲む内服薬だけは、妊活中から授乳期までお休みしてください。

しっかりと皮膚科の先生や産婦人科の先生に相談しましょう!