できることならしたくない流産。
でも意外と経験している人が多いのはご存じですか？
妊活をしていると不安に思うことの1つですが、妊娠を継続するためにできることがあるか調べてみました。
考えすぎるのはストレスになりますので、流産のことを正しく理解し妊活していきましょう。
流産とは
妊娠したのちに、早い時期に赤ちゃんの心拍が止まることを流産といいます。
妊娠22週より前の段階で妊娠が終わることはすべて「流産」となります。
流産の確率
妊娠のうち１５％前後の確率で流産になります。
また、妊娠を経験している女性の40％が流産しているというデータもあります。
妊娠12週までの段階での流産が8割を超えます。
また、20代より40代の方が確率が高くなる傾向にあります。
稽留流産
赤ちゃんが死亡している状態でも、自覚症状がない場合の流産をいいます。
診察で初めて確認できます。
入院して手術する場合と、自然に排出されるのを待つ場合もあります。
完全流産
赤ちゃんを含め子宮内のものがすべて自然に出てしまった状態。
出血や腹痛は治まっている場合が多いが、場合によっては子宮収縮剤を処方されることもある。
不全流産
赤ちゃんを含め子宮内のものが出始めているが、まだ一部が残っている状態。
出血・腹痛が続いていることが多く、子宮内容除去手術を行う場合が多い。
反復流産
流産を2回繰り返す状態。頻度は5％以下。不育症と診断されます。
習慣流産
3回以上繰り返す流産のこと。1％程度の確率しかなく、両親に何らかの疾患があるか、子宮の形に異常があるか、両親の染色体異常が原因として知られています。精密検査をしても、原因がどれか分からない場合も多いです。不育症と診断されます。
考えられる原因はこちら
- 染色体異常：両親もしくはどちらかの染色体に問題があるか、赤ちゃんの染色体に異常がある。治療法はなし。
- ホルモン異常：黄体ホルモン不足、血糖値や甲状腺のホルモンをコントロールするホルモンの異常、高プロラクチン症。投薬による治療あり。
- 免疫系の異常：自分のものではない受精卵に対して過剰な免疫反応をする。免疫抑制剤など用いるケースも。
- 血液凝固系の異常：子宮内で血液が固まってしまう状態。薬を使うことが多い。
- 子宮奇形：手術での治療がありますが、問題なく妊娠・出産するケースもあります。
化学流産
尿検査などで妊娠反応が出てから、超音波検査で確認する前までに流産してしまった状態です。
妊娠検査薬などが生理予定日当日から使えるものが普及しているので、妊活をしていない場合は生理と思って過ごしている場合が多いです。
逆に言えば、妊娠を希望しているからこそ知られるようになった流産です。
特に治療はありません。
1人目の妊娠の直前がこの状態でした。検査薬は使っていませんが、高温期が17日と続いたと思ったら激しい腹痛でトイレ行くと大量出血……ピンポン玉くらいの塊が出ました。
切迫流産
妊娠の継続が可能な流産です。字のごとく流産が切迫している状態。
妊娠後に少量の出血がみられると診断されます。
妊娠12週までは有効な薬などはなく、安静にするしかありません。
流産の原因はなに？
最も多いのが赤ちゃん自身の染色体異常、遺伝子的な異常が原因です。これは受精の瞬間に決まるので、母体の行動などの影響はほとんどありません。例えば、激しい運動をしたから流産した、ということはないということです。
染色体に異常があるということは、生まれても生きるのが難しいことから妊娠が継続できないようになっている自然の摂理です。
手術の方法は？
「子宮内容除去術」という手術になります。
子宮頚管を広げたあと、胎児や胎盤、子宮内膜などを除去する手術のことです。
日帰りか1泊入院があります。
手術中は静脈麻酔（眠った状態だけど自発呼吸ができる状態）で、予宮の入り口を器具で広げてから子宮内の妊娠内容物を取り出します。
流産した時にかかる費用
手術前後の診察や検査費用も、手術そのものも保険適用なのでどの病院でも差がありません。
前後の費用：1万円程度
手術費用：12000円程度
入院した場合は別途入院費がかかります。その場合は病院によって費用が違います。
そのほかは必要に応じて薬代がかかります。
総額3万円～５万円が相場です。
保険
民間の保険では、「稽留流産」や「不全流産」による手術に保険が下りるものがあります。
ご自身の保険内容を確認してみましょう。
流産しないためにできる努力はある？
妊娠してからは受精卵の状態で流産になるので防ぎようがありませんが、不育症と診断されると体質の改善などが必要な場合もあります。
妊娠の前から予防のために以下のことをおすすめします。
- あたためる
- 血を増やす
体が冷えているとそもそも妊娠しにくくなります。
高温期が受精卵の着床時期になっていることからも、妊娠のために温かさが必要なのが分かります。
子宮は内臓の一番下にあり、足で冷やされた血液が上に戻る時、子宮のすぐ横を通ります。
冷え性で足先が冷たい人は、子宮も冷えやすくなります。
また、子宮の中は毛細血管の集まりで、卵巣も結構が悪い臓器です。
冷え性は血流が悪くなり、母体と赤ちゃんをつなぐ血管がつまると流産につながります。
普段から腹巻をしたり、湯船に浸かったりして下半身を冷やさないようにしましょう。
また中医学では、「腎」というものが妊娠力に重要だとしています。
「腎」はホルモンや免疫系の働きに深くかかわります。
以下に、不育症に影響する免疫異常に効果的な食材を紹介します。
流産予防におすすめの食べ物
根菜類・海藻類・発酵食品・黒豆・黒胡麻・黒きくらげなど、黒い食べ物は「腎」を強くすると言われています。
ほうれん草・にんじん・牛肉・豚肉・玉子・鮭・ブリ・カツオ・マグロ・イカ・牡蠣・うなぎ・穴子・ひじき・桃・ぶどう・アーモンドなどは、血を補ってくれます。
ショウガも体を内側から温めてくれるので取り入れてください。
冷たい飲み物を避けることも大切です。
流産予防の生活習慣
先にも言ったように服装や湯船につかること以外にも、
- 禁煙する
- 睡眠時間は7時間
- 運動
- 代謝を上げるためのたんぱく質
などは、冷え性の改善につながり、体をあたためることになります。
まとめ
流産にもいろいろなケースがあり、対処の仕方も変わってきます。
いざ自分がなった時のために知ることは大切ですし、流産をしないための体づくりにも役立つと思います。
妊活はクリアしなければならないことが多いですが、ストレスにならないように出来ることを続けていきましょう。
